ゴルフ会員権の基礎知識

【何が違う?】預託金と入会預託金の違いは?お金が返ってこないって本当?近年の事情もあわせて解説!

預託金・入会預託金は、どちらもゴルフ会員権にかかるお金のことです。言葉は似ていますが、意味・償還条件などは大きく違います。

そのため、ゴルフ会員権の売買を検討している方は、預託金・入会預託金の違いを理解した上で、取引することが大切です。

この記事では、預託金・入会預託金の概要と違い、それぞれの注意点などを紹介します。ゴルフ会員権に関する悩みを減らしたい方は、ぜひ参考にしてください。

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ゴルフ会員権における預託金・入会預託金とは?

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預託金・入会預託金は、会員の新規入会・他者から会員権の購入・譲り受けたときなどにゴルフ場に預けるお金のことです。

預けたお金はゴルフ場の管理・運営などに利用され、一定期間を経過したのちに、償還請求権を行使することで返されます。

預託金・入会預託金の詳しい概要は、以下で紹介します。

預託金とは

預託金とは、ゴルフ場がメンバーを新規募集する際に、ゴルフ場に預けるお金のことです。主にゴルフ場の造成に充てられることから、預託金の相場は数百万円〜数千万円と高額になるケースがほとんどです。

預託金をゴルフ場に預けることで新規のゴルフ会員権が発行され、コースを優先的に利用できる権利・預託金の償還請求権が得られます。この際に獲得したゴルフ会員権は、売買・譲渡できるものが多いです。

預託金は無利子で10〜20年間据え置かれたのちに、「ゴルフ場に会員権を返納する(第三者に売らず、直接退会する)」もしくは「償還請求権を行使する」と全額戻ってくることが一般的です。

ゴルナレ編集部

ゴルフ場の経営状況によっては、請求してすぐには預託金が帰ってこない場合や預託金が分割で支払われる場合もあります。

入会預託金とは

入会預託金は、市場でゴルフ会員権を購入する際に、ゴルフ場に預けるお金です。ゴルフ場の運営・管理を目的に集められるため、預託金よりも金額は低く100万〜500万円が一般的です。

入会預託金はすべてのゴルフ場ではなく、一部のゴルフ場で取り入れられています。ゴルフ場によっては、名変預託金とも呼ばれますが、名義書換料とは別のお金である点を知っておきましょう。

会預託金も預託金と同様に、ゴルフ場から返してもらえます。「ゴルフ会員権を市場で売買したとき」「次の買い手が入会したとき」などが、入会預託金を返してもらえるタイミングです。

預託金と入会預託金の違い

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預託金と入会預託金はどちらも、ゴルフ場にお金を預ける点は同じですが、いくつかの違いが見られます。

下記は、預託金と入会預託金の主な違いです。

  • 各預託金の付帯先
  • 返してもらいやすさ

預託金と入会預託金の違いを理解せずにゴルフ会員権の売買を行うと、ゴルフ場とトラブルに発展するかもしれません。

そのため、預託金と入会預託金の違いは必ず理解しておきましょう。

各預託金の付帯先

預託金と入会預託金で、預けたお金の付帯先は異なります。預託金と入会預託金の付帯先は、次のとおりです。

  • 預託金:ゴルフ会員権(モノ)に付帯
  • 入会預託金:メンバー(ヒト)に付帯

つまり、ゴルフ会員権を第三者に売却すると預託金は一緒に譲渡されますが、入会預託金は退会した時点で返ってくることを意味します。

例えば、預託金500万円、入会預託金100万円の会員権を1000万円で第三者へ売るとします。

この場合、預託金はゴルフ会員権に付帯しているため、預託金500万円は返ってきません。入会預託金はメンバーに付帯しているため、第三者に売却が完了した時点でゴルフ場から直接、入会預託金100万円は返却されます。

そのため、会員権売却価格1000万+入会預託金100万円の計1100万円が手元に入ってきます。

預託金と入会預託金の簡単な流れは、下記を参考にしてください。

返してもらいやすさ

預託金と入会預託金で、返してもらいやすさも異なります。預託金の場合、金額が大きいためゴルフ場の経営状況によっては即座に返してもらえないケースが見られます。

経営状況が悪く預託金の償還が滞っていたゴルフ場を相手に、裁判を起こした事例も少なくありません。

一方で、入会預託金は預託金に比べて、返してもらいやすいと言われています。預託金に比べると少額なケースが多いことと元メンバーに入会預託金を償還しても、新規入会者から新たに入会預託金が振り込まれるためです。

ゴルナレ編集部

ゴルフ会員権の購入を検討している方は、ゴルフ場の経営状況を踏まえ、各預託金の償還に応じてもらえるのかを必ず確認しましょう。

預託金の償還請求でトラブルが勃発した背景

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預託金の干渉請求でトラブルが勃発したのは、バブル経済が崩壊してゴルフ会員権の市場価値が大幅に下落したためです。バブル期は、ゴルフ会員権の市場価値が跳ね上がり、取引価格が5,000万円以上を超えることが一般的でした。

しかし、バブル経済崩壊後はゴルフ会員権の市場価値が大幅に下落します。ゴルフ会員権によってはバブル期とバブル経済崩壊後で、価値が半分以下になるゴルフ会員権も数多く存在しました。

ゴルフ会員権の価格が下落していき、価値が下がるのを危惧したメンバーはすぐに預託金の償還を求め、ゴルフ場に対して一気に預託金の償還請求が行われます。

1990年代には景気の影響を受けて、預託金を日常的な運営資金に使ったり、経営難に陥っていたゴルフ場が少なくありません。その結果、メンバーに対して預託金の償還ができずトラブルに発展しました。

ゴルナレ編集部

なお、預託金の償還請求に関するトラブルは完全に解決しておらず、現在も元メンバーと裁判を行なっているゴルフ場・預託金を完全に償還できていないゴルフ場が数多く存在します。

近年の預託金・入会預託金の事情

2000年代以降は1990年代と比べて、預託金・入会預託金に関するトラブルは減りました。トラブルが減ったのは、法律が整備されたり預託金に関する見直しが行われたりしたためです。

ここからは、近年の預託金・入会預託金の事情を詳しく紹介します。

預託金の事情

預託金のトラブルが社会問題となったことで、近年はゴルフ場が完成する前に預託金としてお金を集めることが法律で禁止されています。

会員制事業者又は会員契約代行者は、会員契約に係る施設が開設された後でなければ、当該施設に係る会員契約の締結をしてはならない。

引用:e-GOV法令検索「ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律」

なお、預託金の2分の1以上の額を担保する契約を締結するなど、一部の要件を満たす場合に限り、ゴルフ場が完成する前に預託金を集められます。

また、経営難に陥ったゴルフ場では民事再生が行われ、預託金を90~99%カットした会員権を再発行し直すケースが多いです。最悪の場合は預託金の償還請求権をなくし、プレー権のみを残すゴルフ場もあります。

預託金に関する見直しが進んだことから、今後はトラブルが少なくなるでしょう。

ゴルナレ編集部

ただし、預託金に関するトラブルが、現在でも解決されていない点は今後の課題です。

入会預託金の事情

一時期はゴルフ場の管理・運営を目的に、入会預託金を採用するゴルフ場が多くありましたが、近年は入会預託金を廃止するゴルフ場が多く見られます。

入会預託金があると市場で会員権を購入する際の初期コストが大きくなってしまい、会員権価格の相場が落ちてしまうためです。

現在、入会預託金を求めるゴルフ場は、入会時に金銭的なことを気にしないメンバーが多い「超名門」ゴルフ場のケースがほとんどです。

ゴルナレ編集部

もし、入会預託金を採用しているゴルフ場の会員権を購入する際は、「入会預託金の使用目的が明確になっているか」「経営状況に問題はないのか」などを確認しましょう。

預託金・入会預託金が返ってこないときの対処法

出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%81%ab%e3%81%99%e3%82%8b-%e3%82%b9%e3%82%a4%e3%83%83%e3%83%81%e3%82%92%e3%82%aa%e3%83%95%e3%81%ab%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%99-2933029/

預託金と入会預託金はどちらもゴルフ場にお金を預ける行為ですが、ゴルフ場の経営状況によっては預託金と入会預託金のどちらもが返ってこない可能性があります。

もし、預託金や入会預託金の返還に応じてもらえない場合は、次の方法で返還してもらいましょう。

  • ゴルフ会員権を取り扱う業者に売却する
  • 個人で交渉して預託金・入会預託金の一部を返還してもらう

他には、ゴルフ場を相手に裁判を起こす手段もあります。しかし、勝訴しても返還に応じてもらえなかったり、民事再生に入り預託金の1%前後しか返ってこなかったりします。

そのため、ゴルフ場の対応があまりにも悪い場合以外は、裁判による解決をおすすめできません。労力がかかる割にリスクが大きく、リターンが少ないのが現状です。

ここからは、2つの対処法について詳しく紹介します。

ゴルフ会員権を取り扱う業者に売却する

預託金・入会預託金の返還に応じてもらえない場合は、早めにゴルフ会員権を取り扱う業者に売却することがおすすめです。

経営難に陥っているゴルフ場は多数あり、売却するタイミングを逃すと、預託金・入会預託金がゼロになる恐れがあります。

業社にゴルフ会員権を売却すれば預託金こそ手に入りませんが、ゴルフ会員権の売却価格は手元に入ってきます。

入会預託金は、ゴルフ会員権を手放したタイミングで手元に戻ってくることが一般的です。そのため、業社にゴルフ会員権を売却してしまえば、入会預託金は戻ってくると考えられます。

ゴルフ会員権の売却を希望する方は、「日本ゴルフ同友会」へご相談ください。55年の歴史があり、業界最大手の会員権業者です。ゴルフ会員権所有者に適切なアドバイスもできますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

個人で交渉して預託金・入会預託金の一部を返還してもらう

個人で交渉して預託金・入会預託金の一部を返還してもらう方法も有効です。実際に、元メンバーの中には、ゴルフ場と個人で交渉して預託金・入会預託金の一部を返還してもらえた事例があります。

ただし、ゴルフ場と交渉する際は、ほとんどの場合で元メンバーが不利になる条件を飲まされることになります。例えば、「預託金・入会預託金を分割返済する」「一つのゴルフ会員権を分割して、手元に残った分だけ預託金を返してもらえる」などです。

ゴルナレ編集部

預託金・入会預託金の返還の一部には応じてもらえるものの、全額返還してもらえる可能性は低いことを知っておきましょう。

まとめ

預託金・入会預託金は似たような言葉ですが、意味は異なります。預託金はゴルフ会員権に、入会預託金はメンバーに付帯するため、それぞれの償還条件を知っておくことが大切です。

ゴルフ会員権を購入したい方は、償還条件に合わせて預託金・入会預託金の注意点も知っておきましょう。

「日本ゴルフ同友会」では、売り手・買い手どちらもが公平に取引できる環境を用意しています。

ゴルフ会員権に関する簡単な相談なども受けておりますので、ゴルフ会員権の売買を検討している方は、ぜひ日本ゴルフ同友会にお問い合わせください。

本記事で解説させていただいた内容は本サイトを運営している「日本ゴルフ同友会」の公式youtubeチャンネルでも解説している内容となっております。
より詳しく知りたい方は是非、動画もご覧ください。

日本ゴルフ同友会

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昭和36年(1961年)創業し、ゴルフ会員権業者の中では最も歴史があります。そのため、ゴルフ場のデータも豊富で、適正な売買価格の選定が可能です。全国のゴルフ場を取り扱っており、その取引実績は業界トップクラスです。売買のみならず、相続や名義変更も承っております。法人・個人問わず、お気軽にお問い合わせください。

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