ゴルフ会員権の基礎知識

【預託金制・株主会員制・社団法人制】会員制ゴルフクラブの種類

ゴルフ場イメージ

会員制ゴルフクラブの種類

ゴルフ場には「メンバーコース」と「パブリックコース」の2種類が存在します。日本のほとんどのゴルフ場が「メンバーコース」にあたり、ゴルフ会員権を発行しています。そのためメンバーコースは会員制ゴルフクラブとも呼ばれ、会員(メンバー)が払う新規購入費や年会費がゴルフクラブ運営資金の一部となっております。
その代わりに、会員にはプレーの優先権やメンバー料金でのプレー、ゴルフ場運営権などの優遇措置が与えられます。

ひとくちに会員制ゴルフクラブといってもその形態は多岐に渡ります。
基本的には大きく3種類に分けられます。

会員制ゴルフクラブ
  1. 預託金制
  2. 株主会員制
  3. 社団法人制

それぞれ運営方法会員(メンバー)の権利等が全く異なります。
順番に解説していきましょう。

預託金制

ある一定金額(預託金)をゴルフクラブに預けて会員(メンバー)となる形態のことです。日本のゴルフクラブのほとんどがこの預託金制であり、全体の約90%を占めている形態です。

ゴルフクラブを運営している会社はこの預託金を資金としてゴルフクラブを運営します。
一方、会員(メンバー)には希望した日時に優先的にプレーができる権利やビジター(非会員)よりも安くプレーできる権利が付与されます。

ゴルフクラブによっても異なりますが、預託金は無利子で一定期間据え置かれます。そして、会員が退会する際は預けた預託金をゴルフクラブから返還してもらう権利を保有しています。それを「預託金返還請求権」と言います。
つまり、元本が保証されています。イメージでいうと銀行の預金に近いです。

また預託金制のゴルフクラブの会員権は市場で売却することが可能であるため、資産形成や投資目的で購入されることも少なくありません。

預託金制のポイント
  • 「預託金制」とはある一定金額(預託金)をゴルフクラブに預けて会員(メンバー)となる形態のこと。
  • 日本のゴルフクラブの約90%が「預託金制」
  • 会員(メンバー)は優遇措置が得られる。
  • 預託金は元本が保証されており、返還することができる。
  • 市場での売却も可能である。

株主会員制

会員(メンバー)が株主としてゴルフクラブの運営会社に出資する形態のことです。会員(メンバー)は株主総会で議決権を行使することができます。
つまり、ゴルフクラブの運営に携わることができます。ここが、預託金制との一番大きな違いです。

ゴルフクラブの資産は株主である会員(メンバー)のものになります。もしゴルフクラブが解散した際には、ゴルフクラブが保有している全資産を持株比で分配を受ける権利を持ちます。
資産と権利が明確であるため、市場での評価が比較的高いゴルフ会員権です。

また、会員(メンバー)は運営に携わる株主であるため、発行会員権数は少なく、家族で代々受け継がれるケースが多いのが特徴です。そのため、会員権が市場に売却されることが少ないため、相場が安定しているケースが多いです。

そういった背景から、近年、預託金制から株主会員制に形態転換するゴルフクラブも増えてきています。

株主会員制のポイント
  • 「株主会員制」は会員(メンバー)が株主としてゴルフクラブの運営会社に出資する形態のこと。
  • 会員(メンバー)はゴルフクラブの運営に携わることができる。
  • ゴルフクラブの全資産は会員(メンバー)のものである。
  • 発行枚数が少なく、市場での評価が比較的高い。

社団法人制

ゴルフと体育振興を目的とし、利益追求を目的としない形態のことです。
「公益法人制」「財団法人制」と呼ばれることもあります。

会員(メンバー)が社団法人の社員として自主的にゴルフクラブの施設の運営を行うので、ゴルフクラブ運営の理事は社員である会員(メンバー)から構成され、運営に必要な費用については会員(メンバー)が公平に負担することになります。

「預託金制」や「株主会員制」と異なり、利益の追求を目的としていないため、基本的に譲渡や売却は認められていないケースが多いです。
そのため、社団法人制の会員は一代限り、または直系者のみが継承出来る終身会員・名誉会員的な存在になっております。例外的に社団法人制の中にも会員権を譲渡出来るクラブ会員権もありますが、その数はかなり少ないです。
つまり、市場に社団法人制クラブの会員権が出回ることはほとんどありません。

社団法人制のゴルフクラブはそのほとんどが戦前に設立されたもので、現在においては原則、新規の社団法人制のゴルフクラブは認可されていません。

社団法人制のポイント
  • 「社団法人制」はゴルフと体育振興を目的とし、利益追求を目的としない形態のこと。
  • 会員(メンバー)は社団法人の社員となり、社員から理事の選出や費用の負担がされる。
  • 「社団法人制」の会員権は基本的に譲渡や売却は認められていない。
  • 原則、新規の社団法人制のゴルフクラブは認可されていない。

まとめ

預託金制株主会員制社団法人制
ゴルフクラブ数
クラブ運営権無し有り有り
会員権市場流通量×
会員権相場の安定感不明

今回は、会員制ゴルフクラブの種類について解説しました。
会員制ゴルフクラブはさまざまな形態があり、その会員権の効力や取得方法も多岐に渡っています。ゴルフクラブによっては複合型(例えば、株主会員制と社団法人制の複合型)の形態もあります。

そのためご希望の会員権があったり、家族間の譲渡が発生しそうな場合は一度プロに相談するのがオススメです。

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