LIVゴルフは、2021年にサウジアラビアの政府系ファンドによって設立されたゴルフ組織です。CEOにはグレッグ・ノーマンが就任し、LIVゴルフは世界各国から注目されています。
運営には政府が携わっており、潤沢な資金を持っていることで知られています。そのため、他のツアーよりも高額な賞金額が設けられている点はLIVゴルフならではの魅力です。
しかし、LIVゴルフの運営元にあたるサウジアラビアは、国際問題などに関与したと疑われている国家です。一部のゴルファー・ゴルフ団体やゴルフファンのなかには、LIVゴルフの運営に対して不信感を持つ方も少なくありません。
この記事では、LIVゴルフの概要や開催状況から、他団体などと対立する理由、今後のLIVゴルフとゴルフ業界の行く末までを解説します。
(トップ画像引用:LIVゴルフ公式)
LIVゴルフとは?設立年や運営組織情報も
LIVゴルフは、サウジアラビアの政府系ファンドが設立したゴルフ組織のことです。2021年に設立され、翌年の2022年6月からツアーが開幕しました。CEOにはさまざまなツアーで優勝経験のある、オーストラリア出身のグレッグ・ノーマンが就任しています。
LIVゴルフは2022年6月から2023年5月までの累計で、14ツアーを開催しています。バッバ・ワトソンやダスティン・ジョンソンなど、各国のトッププロが出場していることから、見応えのあるツアーの一つです。
国内では、Netflixでゴルファーについてドキュメンタリー化した「フルスイング」で出場選手の舞台裏などをチェックできます。
2023年5月時点で男子ツアーしか行われていませんが、今後は女子ツアーも開催される見通しです。LIVゴルフの概要は下表でまとめています。
運営組織 | LIVゴルフ |
オーナー | パブリック・インベストメント・ファンド |
CEO | グレッグ・ノーマン |
設立年 | 2021年 |
公式サイト | LIVゴルフ公式サイト |
一部のゴルファーからは、PGAツアーの競合になりうると示唆されており、LIVゴルフに関する注目度は上昇しています。
LIVゴルフの競技方法
LIVゴルフでは、個人戦とあわせて1チーム4人で構成される12チームによる団体戦の2つが行われます。各ツアーはショットガン方式で進み、3ラウンドを3日間でまわる日程で組まれています。
ショットガン方式とは、出場選手が一斉にプレーをスタートする方式のことです。各チームによってスタートするホールは異なり、必ずしも1ホール目からプレーできるとは限りません。
ショットガン方式は、プレー時間を短縮できる点がメリットです。待ち時間を減らせるため、出場選手の負担軽減やツアーの円滑な進行に繋がります。また、スタート時間によっての天候や風の変化も少なくなるため、より同条件での試合になることが予想されます。
18ホールすべてをまわったとしても、4〜5時間程度で終了することが一般的ですので中継時間の短縮は日本から観戦する方に対しても大きなメリットになると思います。
LIVゴルフで用意されている賞金額
LIVゴルフは数あるツアーのなかでも、賞金額が高いことで有名です。
1ツアーあたりの賞金額は個人戦で2,000万ドル(27億4000万円)、団体戦で500万ドル(6億8500万円)用意されており、総額にすると2,500万ドル(34億2500万円)と破格です。
優勝した際に得られる賞金額は個人戦で400万ドル(5億4800万円)、団体戦で300万ドル(4億1100万円。)(1人当たり1億275万円)となります。LIVゴルフの賞金額は他の大会と比べても巨額であり、ゴルファーにとっては金銭的に魅力的なツアーです。
なお、PGAツアーの賞金額は1ツアーあたり800万ドル(10億9600万)前後であることから、差額は1200万ドル(16億4400万円)。
LIVゴルフの賞金額がかなり高額に設定されていることがうかがえます。
※1ドル137円で計算(2023/5/22時点)
LIVゴルフの賞金額は通常のツアーでも破格ですが、シーズン最終戦は5,000万ドル(68憶5000万円)まで跳ね上がります。
シーズン個人チャンピオンを決めるポイントレース
初開催となった「2022 LIV Golf Invitational Series」では、シーズン中の個人チャンピオンを決めるポイントレースを実施されました。レギュラーシーズン7大会(第1戦から第7戦)のそれぞれで、個人のリーダーボードの成績に応じたポイントが付与されます。
ランキングポイントの上位3名には、賞金総額3,000万ドル(41億1000万円)から賞金ボーナスが贈られ、個人チャンピオンには1,800万ドル(24億6600万円)、2位には800万ドル(10億9600万円)、3位には400万ドル(5億4800万円)のボーナスを受け取ることができます。
※1ドル137円で計算(2023/5/22時点)
獲得ポイントと順位の決め方
1位には40ポイントが与えられ、上位24位まではポイントが付与されます。
25位-48位までの選手には、そのトーナメントでのポイント獲得資格はありません。
1位-40ポイント | 7位-13ポイント | 13位-6ポイント | 19位-2ポイント |
2位-30ポイント | 8位-12ポイント | 14位-5ポイント | 20位-2ポイント |
3位-24ポイント | 9位-11ポイント | 15位-4ポイント | 21位-1ポイント |
4位-18ポイント | 10位-10ポイント | 16位-3ポイント | 22位-1ポイント |
5位-16ポイント | 11位-8ポイント | 17位-3ポイント | 23位-1ポイント |
6位-14ポイント | 12位-7ポイント | 18位-2ポイント | 24位-1ポイント |
最終戦で行われるチームチャンピオンシップ
第8戦のチャンピオンシップについては、「QUARTERFINALS(準々決勝)」「SEMIFINALS(準決勝)」「TEAM CHAMPIONSHIP(決勝)」に分かれており、第1戦から第7戦での成績上位4チームについてはシード権を獲得し、SEMIFINALSからの出場となります。残り8チームで対戦をし、勝利したチームが勝ち上がれる仕組みです。
シングルス2戦、ダブルス1戦での計3戦を戦い、2勝したチームが勝利となり、トーナメントを勝ち進めることが出来ます。
上記画像は実際に2022年に行われたQUARTERFINALS(準々決勝)の対戦表となります。
【2022年】LIVゴルフの戦績、初代チャンピオンは?
開催日 | トーナメント名・開催コース | 優勝者 | 優勝チーム |
6月9日〜6月11日 | LIVゴルフ開幕戦 at ロンドン センチュリオンC | チャール・シュワーツェル (Stinger GC) | Stinger GC |
6月30日〜7月2日 | LIVゴルフ第2戦 at ポートランド パンプキン・リッジGC | ブランデン・グレイス (Stinger GC) | 4Aces GC |
7月29日〜7月31日 | LIVゴルフ第3戦 at ベッドミンスター トランプ・ナショナルGC ベッドミンスター | ヘンリク・ステンソン (Majesticks GC) | 4Aces GC |
9月2日〜9月4日 | LIVゴルフ第4戦 at ボストン ザ・インターナショナル | ダスティン・ジョンソン (4Aces GC) | 4Aces GC |
9月16日〜9月18日 | LIVゴルフ第5戦 at シカゴ リッチハーベスト・ファームズ | キャメロン・スミス (Ripper GC) | 4Aces GC |
10月7日〜10月9日 | LIVゴルフ第6戦 at バンコク ストーンヒル | エウヘニオ・ロペス・チャカラ(Fireballs GC) | Fireballs GC |
10月14日〜10月16日 | LIVゴルフ第7戦 at ジェッダ ロイヤルグリーンズG&CC | ブルックス・ケプカ (Smash GC) | Smash GC |
10月27日〜10月30日 | LIVゴルフ最終戦 at マイアミ トランプ・ナショナルGC ドラル | 団体戦のみ | 4Aces GC |
2022年シーズン個人チャンピオン
2022年の第1戦から第7戦までで行われたポイントレースでは、元世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンが圧倒的なポイント差で優勝しました。全てのトーナメントで高ポイントを獲得していることがよくわかります。
1位 ダスティン・ジョンソン(4Aces GC)135ポイント
第1戦ロンドン8位12ポイント 第2戦ポートランド4位18ポイント
第3戦ベッドミンスター3位24ポイント 第4戦ボストン1位40ポイント
第5戦シカゴ3位24ポイント 第6戦バンコク16位3ポイント
第7戦ジェッダ6位14ポイント
2位 ブランデン・グレイス(Stinger GC)79ポイント(左)
第1戦ロンドン3位24ポイント 第2戦ポートランド1位40ポイント
第3戦ベッドミンスター13位6ポイント 第4戦ボストン12位7ポイント
第5戦シカゴ18位2ポイント
3位 ピーター・ユーライン(4Aces GC) 79ポイント(右)
第1戦ロンドン4位18ポイント 第5戦シカゴ2位30ポイント
第6戦バンコク23位1ポイント 第7戦ジェッダ2位30ポイント
※同点の際にはポイントとは別に、最終ラウンドのスコアや最後の9ホールのスコアによって順位が決定されます
2022年 チームチャンピオンシップ
2022年のLIVゴルフ初代チームチャンピオンシップ優勝はダスティン・ジョンソン率いる4Aces GC
2位はキャメロン・スミス率いるPunch GC(現Ripper GC)
3位はブルックス・ケプカが率いるSmash GC
Punch GC、Smash GC共にシード権を獲得していなかったため、QUARTERFINALS(準々決勝)から勝ち進んだチームになります。
2022年のチームチャンピオンシップについてはLiv golf公式YouTube、日本公式配信ではALBA TVのアカウントにてアップされておりますので、大会を下記リンクからご覧いただけます。
【2023年最新情報】LIVゴルフの戦績から開催予定情報までを解説!
【2023年シーズン】
LIVゴルフは2023年5月時点で、累計15ツアーを開催しています。5月下旬から12月末までに残り7ツアーが開催される予定です。これまでの戦績および開催予定のツアー情報は下表のとおりです。
開催日 | トーナメント名・開催コース | 優勝者 | 優勝チーム |
2月24日〜2月26日 | LIVゴルフ第1戦 at マヤコバ エル・カマレオンGC | チャールズ・ハウエル3世 (Crushers GC) | Crushers GC |
3月17日〜3月19日 | LIVゴルフ第2戦 at ツーソン ザ・ギャラリーGC | ダニー・リー (Iron Heads GC) | Fireballs GC |
3月31日〜4月2日 | LIVゴルフ第3戦 at オーランド オレンジ・カウンティ・ナショナル | ブルックス・ケプカ (Smash GC) | Torpue GC |
4月21日〜4月23日 | LIVゴルフ第4戦 at アデレード グレンジGC | テイラー・グーチ (RangeGoats GC) | 4Aces GC |
4月28日〜4月30日 | LIVゴルフ第5戦 at シンガポール セントーサGC セラポンC | テイラー・グーチ (RangeGoats GC) | RangeGoats GC |
5月12日〜5月14日 | LIVゴルフ第6戦 at タルサ シダーリッジCC | ダスティン・ジョンソン (4Aces GC) | Stinger GC |
5月26日〜5月28日 | LIVゴルフ第7戦 at DC トランプ・ナショナルGC ワシントンDC | ハロルド・バーナー3世(RangeGoats GC) | Torpue GC |
6月30日〜7月2日 | LIVゴルフ第8戦 at バルデラマ レアルクラブ・バルデラマ | テイラー・グーチ (RangeGoats GC) | Torpue GC |
7月7日〜7月9日 | LIVゴルフ第9戦 at ロンドン センチュリオンC | キャメロン・スミス (Ripper GC) | 4Aces GC |
8月4日〜8月6日 | LIVゴルフ第10戦 at グリーンブライアー グリーンブライアー オールドホワイトC | ブラインソン・デシャンボー(Crushers GC) | Torpue GC |
8月11日〜8月13日 | LIVゴルフ第11戦 at ベッドミンスター トアランプ・ナショナルGC ベッドミンスター | キャメロン・スミス (Ripper GC) | Ripper GC |
9月22日〜9月24日 | LIVゴルフ第12戦 at シカゴ リッチ・ハーベスト・ファームズ | ブラインソン・デシャンボー(Crushers GC) | Crushers GC |
10月13日〜10月15日 | LIVゴルフ第13戦 at ジェッダ ロイヤル・グリーンズGC | ブルックス・ケプカ (Smash GC) | Fireballs GC |
10月20日〜10月22日 | LIVゴルフチーム選手権 at マイアミ トランプ・ナショナルGC ドラル | 団体戦のみ | Crushers GC |
LIVゴルフは基本的に、アメリカやイギリスのゴルフ場で行われています。最終戦は出資ファンドが位置するサウジアラビアで開催しています。
PGAツアーからの移籍者も多数!?LIVゴルフの所属ゴルファー
LIVゴルフには12チーム用意されており、各チームの名称は次のとおりです。
- 4Aces GC
- Cleeks GC
- Crushers GC
- Fireballs GC
- HyFlyers GC
- Iron Heads GC
- Majesticks GC
- RangeGoats GC
- Ripper GC(Punch GC)
- Smash GC
- Stinger GC
- Torwue GC
各チームには、PGAツアーで名を馳せた有名ゴルファーなども多数存在します。選手によって異なるものの、LIVゴルフがトッププレーヤをスカウトする際には1億ドル以上もの契約金が支払われたと言われています。
ここからは、各チームに属するゴルファーについて紹介します。なお、在籍する選手の情報は2023年5月時点のものです。
4Aces GC
4 Aces GC(フォー・エイシズ GC)は、ダスティン・ジョンソンがキャプテンを務める、アメリカ人選手中心のチームです。2022年初代チームチャンピオンとなり、ダスティン・ジョンソンについてはシーズン個人チャンピオンにも輝きました。
- ダスティン・ジョンソン(アメリカ合衆国)
- パット・ペレス(アメリカ合衆国)
- パトリック・リード(アメリカ合衆国)
- ピーター・ユーライン(アメリカ合衆国)
Cleeks GC
Cleeks GC(クリークス GC)は、メジャーチャンピオン経験があるマルティン・カイマーなどが在籍する、欧州メンバーで構成されたチームです。
- マルティン・カイマー(ドイツ)
- リチャード・ブランド(イングランド)
- グレーム・マクドウェル(北アイルランド)
- ベルント・ウィスバーガー(オーストリア)
Crushers GC
Crushers GC(クラッシャーズ GC)はブラインソン・デシャンボーが率いる、選手の国籍が多様なチームです。
- ブラインソン・デシャンボー(アメリカ合衆国)
- ポール・ケーシー(イングランド)
- チャールズ・ハウエル3世(アメリカ合衆国)
- アニルバン・ラヒーリ(インド)
Fireballs GC
Fireballs GC(ファイヤーボールズ GC)は、「神の子」と称されるセルヒオ・ガルシアが在籍するLIV屈指のチームです。
- セルヒオ・ガルシア(スペイン)
- エイブラハム・アンサー(メキシコ)
- カルロス・オルティス(メキシコ)
- エウヘニオ・ロペス・チャカラ(スペイン)
HyFlyers GC
HyFlyers GC(ハイフライヤーズ GC)は、アメリカ人選手が中心となるチームの一つです。LIVゴルフには、アメリカ人選手で構成されたチームがいくつか存在します。
- フィル・ミケルソン(アメリカ合衆国)
- ジェームズ・ピオット(アメリカ合衆国)
- ブレンダン・スティール(アメリカ合衆国)
- キャメロン・トリンガーリ(アメリカ合衆国)
Iron Heads GC
Iron Heads GC(アイアンヘッズ GC)は、ケビン・ナを中心としたアジアツアーの猛者が集うチームです。
- ケビン・ナ(アメリカ合衆国)
- キム・シバン(韓国)
- ダニー・リー(ニュージーランド)
- スコット・ビンセント(ジンバブエ)
Majesticks GC
Majesticks GC(マジェスティックス GC)は、ライダーカップさながらの欧州メンバーで構成されたチームです。
- リー・ウェストウッド(イングランド)
- ヘンリク・ステンソン(スウェーデン)
- サム・ホースフィールド(イングランド)
- イアン・ポールター(イングランド)
- アンディ・オグルトゥリー(アメリカ合衆国)
RangeGoats GC
RangeGoats GC(レンジコーツ GC)は、バッバ・ワトソンが率いる世界のトッププレーヤーが集うチームです。
- バッバ・ワトソン(アメリカ合衆国)
- ハロルド・バーナー3世(アメリカ合衆国)
- テーラー・ゴーチ(アメリカ合衆国)
- トーマス・ピーターズ(ベルギー)
Ripper GC
Ripper GC(リッパー GC)は、Punch GCから改名したオーストラリア選手中心のチームで、2022年チームチャンピオンシップでは2位にランクインしました。
- キャメロン・スミス(オーストラリア)
- マーク・リーシュマン(オーストラリア)
- マット・ジョーンズ(オーストラリア)
- ジェディア・モーガン(オーストラリア)
Smash GC
Smash GCは(スマッシュ GC)、ケプカ兄弟が在籍するLIVゴルフ3つ目となるアメリカ人チームです。2022年チームチャンピオンシップでは3位にランクインしました。
- ブルックス・ケプカ(アメリカ合衆国)
- チェイス・ケプカ(アメリカ合衆国)
- ジェイソン・コクラック(アメリカ合衆国)
- マシュー・ウルフ(アメリカ合衆国)
Stinger GC
Stinger GC(スティンガー GC)は、優勝者を排出しているLIVゴルフ屈指の南アフリカチームです。
- ルイ・ウーストヘイゼン(南アフリカ)
- チャール・シュワーツェル(南アフリカ)
- ブランデン・グレイ(南アフリカ)
- ディーン・バーメスター(南アフリカ)
Torwue GC
Torwue GC(トルク GC)は、LIVゴルフでは珍しい全メンバー異国籍のチームです。
- ホアキン・ニーマン(チリ)
- デビッド・プイグ(スペイン)
- セバスティアン・ムニョス(コロンビア)
- ミト・ペレイラ(チリ)
LIVゴルフに出場経験のある日本人ゴルファー
2023年5月時点では、LIVゴルフへ出場している日本人ゴルファーはいません。しかし、過去大会を見ると、下記4名の日本人ゴルファーがTorwue GCのチーム名にてLIVゴルフへ出場しています。
- 稲森佑貴
- 木下稜介
- 香妻陣一朗
- 谷原秀人
稲森佑貴は「日本一曲げない男」と称される、フェアウェイキープ率の高さに定評がある選手です。稲森佑貴のフェアウェイキープ率は78.66%と高く、7季連続1位に輝いています。
木下稜介は、令和初のアルバトロスを達成した近年飛躍を遂げている選手です。パーオン率が高く、堅実性のあるプレーが持ち味です。
香妻陣一朗は、ジュニア時代から数々の実績を誇るゴルファーとして知られています。2020年には三井住友VISA太平洋マスターズで初優勝を果たすなど、今後の活躍にも目が離せない選手の一人です。
谷原秀人は、広島県出身のプロゴルファーです。国内外どちらのツアーにも出場しており、豊富な実績を持つ選手として名を馳せています。
LIVゴルフがPGAツアーなどから批判される理由
LIVゴルフは世界的に注目を集めているツアーの一つです。しかし、さまざまな事柄が相まって、LIVゴルフは設立当初からPGAツアーなどの他団体から批判されているのが事実です。
LIVゴルフが他団体から批判される理由として、下記のことが挙げられます。
- LIVゴルフが規約違反に近い形でPGAツアーの選手を引き抜いているため
- LIVゴルフの投資ファンドもとのサウジアラビアによる国際問題などがあるため
ここからは、各項目について詳しく解説します。
LIVゴルフが規約違反に近い形でPGAツアーの選手を引き抜いているため
LIVゴルフの1ツアーにおける総額賞金は個人・チーム戦を合わせて2,500万ドル
(34億2500万円)と、他のツアーと比較して破格な金額に設定されています。もちろん、PGAツアーが用意する賞金額よりも高い傾向です。
他にも、LIVゴルフはPGAツアーよりもゆとりのあるツアー日程、かつ半分程度の出場日数で各スポーツ界のスター選手と遜色ない賞金が得られるなどの魅力があります。
LIVゴルフが提示する条件は選手にとって好条件であり、PGAツアーで長年活躍してきた選手の一部が規約違反に近い形でLIVゴルフへ移籍している状況です。
規約違反に近い形で引き抜く・選手が移籍する行為に対してPGAツアーは、LIVゴルフに参加した選手の出場を禁止すると表明しています。他にも、2023年シーズンの8試合分の賞金を大幅に引き上げると表明しています。
巨額の契約金を積んで選手を引き抜いている状況に近く、PGAツアーはLIVゴルフおよび移籍した選手へ対して難色を示しています。
LIVゴルフの投資ファンドもとのサウジアラビアによる国際問題などがあるため
投資ファンド元であるサウジアラビアは、人権侵害などの問題が疑われている国です。他にも、テロ事件や暗殺事件などに関与した疑いがあると言われています。
LIVゴルフは政府系ファンドによって設立されており、「LIVゴルフがテロや暗殺などの血で塗られた資金で運営されている」と考える方が少なくありません。そのため「LIVゴルフを表舞台で容認すべきでない」という意見も目立ちます。
一方でLIVゴルフは、これまでは自由な競争を謳ってきたPGAツアーなどの団体に対して「主張が矛盾するのでは」という声を挙げている状況です。
また、PGAツアーのスポンサーのなかに、サウジアラビアでビジネスをする企業が存在していることから、LIVゴルフはPGAツアーの意見に対して矛盾していると声を強めています。
LIVゴルフとPGAツアーのどちらの意見も納得できる内容であり、話は平行線に進んでいる状況です。
今後のLIVゴルフとゴルフ界の動向
2023年6月。LIVゴルフと対立していたPGAツアー(全米ツアー)、DPツアー(欧州ツアー)がこれまでの主張からは一転し、和解をすると発表しました。
和解した理由としてはサウジアラビアの政治系ファンドPIF、PGAツアー、DPツアーの3つのツアーで新法人を立ち上げ、グローバルで統括してゴルフ業界を盛り上げていくことためだと報じられています。具体的な活動については後日発表されるとのことですので、ゴルナレでも随時情報を追っていきます。
LIVゴルフに出場した選手はPGAツアーに参加できないといった処分を下すなどし、選手から訴訟が起こるなどの事態にもなっているLIVゴルフ騒動。LIVゴルフからの高額オファーを断り、PGAツアーでのプレーを継続した選手もいる中で、今回の決断はどのようにゴルフ業界を変えていくのか。ゴルフの歴史に名を残す転換期のようにも感じます。
参考記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/e5a2daaf6b2605262413342daf2f933c665a616a
まとめ
LIVゴルフは、サウジアラビアの政府系ファンドが設立したゴルフ組織です。世界でも数多くの実績を残してきたグレッグ・ノーマンがCEOを務めており、さまざまな理由から世界的に注目されています。
LIVゴルフの特徴は、他のツアーよりも賞金額が高額に設定されている、且つチーム戦でのゴルフが取り入れられていることです。1ツアーあたり個人戦で2,000万ドル(27億4000万円)、団体戦で500万ドル(6億8500万円)用意されています。ツアー日程はゆとりを持って組まれており、成績を残せるゴルファーであれば他の団体でプレーするよりも効率よく賞金を得られるという特徴も見られます。
一方で、LIVゴルフは「PGAツアーの選手を規約違反に近い形で引き抜いている」「資金の出どころが相応しくない」などの理由から、PGAツアーおよび他のゴルフ団体と対立している状況です。
LIVゴルフと対立していたPGAツアー、DPツアーがこれまでの主張からは一転し、和解をすると発表しました。
チーム戦を用いた新しいゴルフを提供するLIVゴルフとこれまで多くの歴史を作ってきたPGAツアー、DPツアーの和解。今後のグローバルでの活動はゴルフ業界をどのように変えていくのか目が離せません。
60年以上の歴史を持つ、ゴルフ会員権売買のパイオニア企業。2,500社以上の上場企業との取引があり、徹底したサポートによる安心感と実績がございます。
昭和36年(1961年)創業し、ゴルフ会員権業者の中では最も歴史があります。そのため、ゴルフ場のデータも豊富で、適正な売買価格の選定が可能です。全国のゴルフ場を取り扱っており、その取引実績は業界トップクラスです。売買のみならず、相続や名義変更も承っております。法人・個人問わず、お気軽にお問い合わせください。