ゴルフ会員権の基礎知識

【なぜ会員権価格があがったのか】2022年ゴルフ会員権市場まとめ

 

2022年(令和4年)のゴルフ会員権市場の動向について解説します!

コロナ禍、物価高、ウクライナ戦争など政治的、経済的にも大きな動きがあった2022年ですが、ゴルフ市場はどのような変化があったのでしょうか。今回はゴルフ会員権という切り口で2022年のゴルフ市場についてまとめさせていただきます。
また、2023年の予想についてもまとめています。

ゴルファーなら知っていて損ではない内容になっていますので、是非最後までご覧ください!

2022年ゴルフ業界について

結論から言うと2022年のゴルフ業界はとても景気が良い1年でした。

ゴルフ場は予約が取れず、会員権の取引価格は上がり、ゴルフ練習場もいつも満席状態といった状況でした。ゴルフ関係の仕事についている方(ゴルフ場関係者、会員権業者、ゴルフ用品販売店など)は「プチバブル」と口を揃えて行っているような状況でした。
みなさんの周りでも今までゴルフをやらなかった方が、いきなりゴルフをはじめたり、いつも予約が取れていたゴルフ場がいきなり予約が取れなくなった経験が多かったのではないでしょうか。

ゴルフ用品の売れ行きも大変好調で、昨今集客に苦戦していると言われている百貨店でもゴルフ用品売り場にはかなり人がいた印象です。
物によってはかなり品薄になっており、入荷までに数ヶ月かかるというクラブもあるとのことでした。

関東のゴルフ会員権相場指数

2022年の関東8都県の指定ゴルフ場150コースの平均相場は、220万円→233万円となっています。1年間で平均すると約6%程度相場が上昇しました。

もちろんゴルフ場によっても値上がり幅はそれぞれですが、とりわけ都心に近い名門ゴルフ場は軒並み金額が上がり、人気のあるコースだと年初から年末にかけて1.5倍以上相場が上がったゴルフ場もあります。

例えば、東京の名門「桜ヶ丘カントリークラブ」は2022年1月ごろ800万円〜900万円前後で取引されていましたが、2022年12月では1200〜1400万円前後で取引されています。
また神奈川県の名門「戸塚カントリークラブ」も1月ごろは1600万円前後で取引されていましたが、2022年12月では2000万円を超える相場をつけています。

他にも値上がりしたゴルフ場が知りたい方は以下youtubeで解説していますので、ご覧ください。

ゴルフ会員権価格が上昇した理由

ゴルフ会員権価格が上昇した理由①コロナ禍

ゴルフ会員権相場が上昇した一番の理由は「コロナ禍」が挙げられます。

3密を回避できるレジャーとして注目され、若年層を中心にゴルフ人口が急増しました。
その結果、ゴルフ場の予約が取りづらくなり、会員権を購入する方が増えたというわけです。

ゴルフ業界では長年若者のゴルフ離れが懸念されていましたが、「ゴルフアパレルの若い女性タレントの起用」や「お笑い芸人のyoutubeでのゴルフチャンネルの台頭」などによって、若いゴルファーが増え、そこに蜜を避けられるスポーツとして人気に拍車がかかりました。

今までゴルフ会員権の購入者ボリューム層である50~60代はもちろん、30~40代の比較的若い層もゴルフ会員権を購入し、メンバーになりたいという方がここ数年増えている傾向にあります。

ゴルフ会員権価格が上昇した理由②企業、富裕層のお金あまり

2つ目の理由が「企業、富裕層のお金あまり」が挙げられます。

2022年の企業業績、株価は比較的好調な企業が多く、特に円安の影響もあって、輸出業を中心に過去最高益が出たというニュースを目にした方も多いと思います。
そのような企業を中心に資産としての側面もある会員権が購入されたという背景があります。とりわけ勢いのある企業、貿易関連やIT関連での法人の購入がかなり目立っていたように感じます。

また、個人富裕層もパンデミックによって海外へ行けない、消費ができないという理由でお金あまりが発生し、そのお金の一部がゴルフ会員権に向いたということが考えられます。
「2022年高級時計のロレックスが飛ぶように売れた」というニュースが話題となりましたが、それと少し似ているかもしれません。

他にも考えられる理由はありますが「コロナ禍」と「金余り」主にこの2つが要因で会員権の相場が上昇したと考えられます。

2022年ゴルフ場の動き

このようなゴルフ会員権相場の上昇やゴルフ業界の盛り上がりの影響もあり、ゴルフ場にも少し変化があった1年でもあります

それが「年会費・名変料の上昇」「入会ハードルの引き上げ」です。

2022年ゴルフ場の動き①年会費・名変料の上昇

2022年の夏から秋にかけて、ゴルフ場メンバーの年会費、入会時に発生する名義変更料の値上げをするゴルフ場が数多く見られました。
年会費や名変料は近年、値上げの傾向にありましたが、それに拍車がかかったという感じです。

例えば、12月には千葉県の名門「我孫子ゴルフ倶楽部」の名義変更料が330万円→440万円、入会預託金が100万円→300万円に上がりました。
会員権金額日本トップクラスの「磯子カンツリークラブ」の名義変更料も5月には220万円→330万に上がりました。

これらはほんの一例で全国的に年会費・名義変更料を上げたゴルフ場が多数存在した様子でした。とりわけゴルフ場経営最大手のアコーディア・ゴルフのゴルフ場においてはそのほぼすべてで名義変更料が上昇したと言っても過言ではない状況でした。

2022年ゴルフ場の動き②入会ハードルの引き上げ

入会時のハードルが上がったゴルフ場もいくつかありました。

ゴルフ場にはそれぞれ入会に際して条件を設定しています。例えば「既存メンバーの紹介が◯名必要」「紹介者の面接同伴が必要」「年齢は25歳以上」「他クラブの在籍が必要」などゴルフ場によっても条件はまちまちですが、だれでも入会できるというゴルフ場はほとんどありません。

2022年は多くのゴルフ場でその入会ハードルが引き上げられました。
例えば、今までは推薦人が不要だったゴルフ場が必ず推薦人1名を署名捺印を求めるようになったゴルフ場や理事会での審査を厳しくして入会承認を下す人数をかなり減らしたゴルフ場もあります。

ゴルフ場の動きの背景

このような動きの背景には「ゴルフ場の予約が取りづらくなった」ということが挙げられます。

新規のメンバーや若年層のメンバーはよりアクティブなメンバーなので、プレーする回数も多くなります。
すると既存のメンバーやベテランのメンバーは予約が取りづらくなるので、使い勝手が悪くなると言えます。

ゴルフ場はメンバーに配慮した運営をしていかなければならないので、これ以上予約が埋まってしまわないように、少し新規の入会者を制限する必要があるということです。

その結果、2022年多くのゴルフ場で「年会費・名変料の上昇」と「入会ハードルの引き上げ」が実施されたというわけです。

「ゴルフ業界が盛り上がる」→「予約が取りづらくなる」→「会員権を購入してメンバーになろうとする人が増える」→「アクティブな会員が増える」→「予約が取りづらくなる」→「ゴルフ場が入会のハードルを上げる」
2022年はこのような流れがゴルフ業界全体で巻き起こっていた状態でした。
業界全体としては良い状況ではあるので、総じて2022年はゴルフ業界にとっては良い一年だったと言えるでしょう。

2023年ゴルフ業界予想

最後に2023年の予想をさせていただきます。
ここからはあくまで予想なので、参考程度にお聞きください。

2023年は「ゴルフ業界の盛り上がりは一旦落ち着くのではないか」と考えられます。

理由は「パンデミックの収束」「景気悪化懸念」が挙げられます。

2023年ゴルフ業界予想①コロナ禍の収束

2020年から世界的に流行した新型コロナウイルスによる猛威が少しずつ落ち着き始めています。

ワクチンの接種も進み、海外ではノーマスクが当たり前になったのが2022年でした。国内の水際対策も緩和され、海外への渡航者も増えている状況です。
2023年には新型コロナウイルスの感染法上の位置付けを2類から5類へ引き下げる議論もされております。

そのため、コロナ禍によって見直されたゴルフ需要もコロナの猛威が収まるにつれ、一旦は落ち着くのではないかと思います。
実際に、コロナ感染者が比較的落ち着いていた2022年夏から秋にかけては会員権相場の上昇率が少し落ち着いた状況でした。

2023年ゴルフ業界予想②物価高騰や増税に伴う景気悪化

また、輸入物価の高騰や増税に伴う景気悪化も懸念されています。

ウクライナ戦争、円安による輸入品価格の高騰は製造業や農業へ大きなダメージを与えています。物価は上がるが、賃金は上がらない「スタグフレーション」が加速しており、多くの国民が相対的に貧困化している状況です。

また、防衛費や子育て支援の財源確保という位置づけで、増税の議論も行われております。社会保険料は毎年のように上がり、消費税も数年単位で上昇傾向にあります。

このような理由も相まって、2023年は景気の悪化が予想されておりいる状況です。
ゴルフ業界は景気の影響を受けやすい業界ですので、もし日本国内の景気が悪化するようであれば、会員権価格の下落やゴルフ場の集客苦戦は大いに考えられます。

まとめ

今回の記事では2022年ゴルフ業界およびゴルフ会員権市場について解説させていただきました。
2022年は好調であったゴルフ業界が2023年以降どのような動きになるかは是非ゴルファーなら注目しておきたい限りです。

近年のゴルフ会員権市場について気になる方はぜひ他の記事もご覧ください!

本記事で解説させていただいた内容は本サイトを運営している「日本ゴルフ同友会」の公式youtubeチャンネルでも解説している内容となっております。
より詳しく知りたい方は是非、動画もご覧ください。

日本ゴルフ同友会

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